過積載の罰則が厳しくなった!?トラック運転手が仕事を失わないために知っておきたいこと

トラック運転手なら誰しもが聞いたことがある「過積載」。より多くの荷物を積んだ方が、より多くの運賃をもらえるため、できるだけ多くの荷物を運びたいところですが、その代償はあまりにも大きい?!
今回は、トラック運転手なら必ず知っておきたい「過積載」について、責任の所在や反則金のことまで詳しくご説明します。
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過積載とは?

過積載とは、トラックなどの貨物自動車に規定の重量を超えて荷物を積んで走る違法行為のことです。道路などに負担を与える他、周囲に騒音や震動による迷惑で、新交通三悪のひとつと言われています。

荷主側は最大積載量を気にしない?!

荷主側は、常に運賃を安く抑えたいことが第一で、トラック業界の法令に興味を持たないケースが多いのが実情です。そのため、最大積載量より多い荷物を無理やり1台のトラックに乗せるような依頼もあとを立ちません。

ただし、違反をした場合は、荷主側にも責任を問われる可能性があります。無理な依頼があった場合でも、ダメなものはダメだと伝えて、トラック運転手自身を守ることが必要です。そのために、トラック運転手が過積載のことを十分に理解しておくことが必要でしょう。

トラックの最大積載量

トラックの最大積載量は、道路運送車両法により定められています。

許容される車両総重量 ー (車両重量+(乗車定員数×55kg)) = 最大積載量
※乗車定員の体重は、1人55kgで計算されています。

日本国内では、国道やそこにかかる橋などの強度基準が、12mあたり25tの車両が渋滞などで並んだ場合でも、道路が損壊しないような設計で作れれています。そのため、トラックなどの貨物自動車の車両総重量は、基本的に25tが上限として、車軸や車台の強度などが決まっています。

軽自動車の最大積載量

軽トラックなどの軽自動車を使って荷物を運ぶことも多いですが、軽自動車の最大積載量は、350kgが上限となります。

過積載によるトラックへの8つの影響

トラックなどの強度は、実際は余裕を持って設計されているため、最大積載量を多少超えた荷物を積んで走っても、トラック自体がすぐに破損するような問題は起きないかもしれません。しかし、問題があった状態で走行を続けるとこのようなトラックへの影響が生じます。

  1. 道路からの振動などでハブ(車軸)が破断する
  2. クリップボトルなどが破損して車軸が外れる
  3. タイヤがバーストする
  4. ブレーキが効かなくなる(制御距離が長い)
  5. カーブで旋回できなくなる
  6. 車両が転倒する(重心が変わる)
  7. 積載物が崩れる
  8. 燃費が悪化する

あまり意識することが少ないかもしれませんが、トラック自体はスーパーカーほどの値段になることもある高級車です。規定以上の積載を行うという事は、道路に負担をかけるばかりか、ブレーキ制御にも負担をかけバランスを崩し事故になる要因にもなります。

過積載の責任は誰?

実はこの過積載、最近罰則が随分厳しくなった事をご存知でしょうか?

今まではトラック運転手、運送会社、荷主に影響があったのですが、それが「高速道路の利用」にも影響がでる事となりました。
トラック運転手の皆様は高速道路を利用する際は、会社支給のETCカードを使用していると思います。このETCカードは『コーポレートカード』と言ってETCカードの組合に加入し、利用料に応じ割引を受けられるものです。これが高速道路で過積載が理由で検挙されると、組合を脱退しなければならなくなる他、自社のみならず他の組合員も割引を受けられなくなるという『連帯責任』に移行しました。金額にすると何十万、何百万で済まない金額でしょう。それが自社やトラック運転手の皆さんに請求されたらいかがでしょうか。

ケースバイケースですが、先述したようにトラック運転手、運送会社や荷主へ責任追及されます。その中でも当然現場にいるトラック運転手が最初の対象となります。特に大型車両の場合は、違反点数も反則金も大きくなりますので、人ごとではないことを十分に理解しておく必要がありそうです。

運送会社の責任

運送会社がトラック運転手に過積載を指示した場合には、運送会社にも処分が下されます。

  • 多数の死傷者が出た事故の場合
  • 大規模の事故の場合
  • 計画的に過積載が行われていた場合
  • 日常的に過積載が繰り返し行われていた場合

このように運送会社も原因となる場合は、運行管理者資格の取消などの処置がされることもあるため、注意が必要です。

荷主の責任

荷主側の強い圧力のため、やむおえず過積載が行われるケースも多くあります。運送事業者を保護するため、荷主に対して「勧告書」や「警告書」を発行する制度が作られています。
荷主が過積載となることを知っていながら、荷物を引き渡したりすること自体が禁止されているのです。

過積載の取り締まりとトラック運転手の反則金

大型車と普通車では違反点数も反則金も異なります。特に大型車両の場合で10割以上の過積載の場合は、違反点数は6点、しかも反則金ではなく6か月以下の懲役又は10万円以下の罰金となる事をトラック運転手の皆様は十分に知っておく必要があるでしょう。

積載量 違反点数 反則金
5割未満 2点 30,000円
5割以上10割未満 3点 40,000円
10割以上 6点 6ヶ月以下の懲役または10万円以下の罰金

「いやー、さすがに10割は無いよな」とトラック運転手の皆さん思われるでしょうが、本当にそうでしょうか?
例えば鉄の型枠や鉄製品などは見た目の大きさに比べ、かなりの重量があります。トラック運転手の皆さんは荷主から聞かされておらず積んだ後に、アクセルを踏んでもいつものように動かなかったこと経験ありませんか?

そのような場合は、過積載の可能性が非常に高いです。知らないうちに。。。とならないように気をつけておきたいものです。

最後に

トラック運転手なら隣り合わせの過積載。。規定以上の積載を行うという事は、道路に負担をかけるばかりか、ブレーキ制御にも負担をかけバランスを崩し事故になる要因にもなります。

今一度、自車の最大積載、そして商品を積み込む際に依頼書に記入されている重量の確認を行うようにしてみては。その確認が今後の自分を助けることに繋がります。ちょっとぐらいはという軽い気持ちが、トラック運転手自身だけでなく周りにも大きな迷惑が掛かる事を忘れずに。