トラックの整備に資格は必要じゃない?「ここが不良」と言える整備点検技術とは

ドライビングがうまいトラック運転手はどのようなドライバーのことを言うでしょうか?もちろんトラック操作も重要ですが、プロのトラック運転手にとってはさらに重要とも言えるのが「整備点検の技術」。いくら運転が上手でもトラックが故障してしまえば、どうしようもありません。

荷主とのトラブルを防ぐため、大きな事故を避けるため、トラック運転手に欠かせないトラック整備についてまとめました。

整備点検技術はトラック運転手の義務

大手運送会社であれば整備施設が整っていて、しっかりとした整備士さんがいるかもしれません。しかし、そのような運送会社はほんの一部。中小の運送会社であれば、整備業務と運行業務を完全に分けることは難しいのが現状です。
自分の身は自分で守る!トラックの整備はドライバーであるトラック運転手の仕事と思うことが大切です。

「洗車」と「タイヤのエアチェック」この2つは欠かせない!

トラックの整備点検と言っても何から手をつければ良いか分からない方も多いと思います。そんなドライバーにまず始めて欲しいのが、「洗車」と「タイヤのエアチェック」です。

タイヤのエアチェック

タイヤのバースト(破裂)は、トラック運転手が最も気をつけなければならないことの一つです。空気圧の不足したタイヤは高速回転により負荷がかかりやすくなるため、バーストの危険性が高まります。命に関わるほど危険性の高いバーストだからこそ、タイヤのエアチェックは一番に気を使って欲しい整備項目です。(慣れれば時間をかけずにできます!)

洗車(タイヤ・ホイールは特に)

また、面倒な洗車ですが、まずはタイヤとホイールをキレイにしておけば、トラック自体がキレイに見えます。荷主にとってもキレイなトラックだと印象が良くなります。時間がないトラック運転手にこそ、タイヤ周りを中心に洗車と点検することが助けになるでしょう!
また、洗車をしていると、その他のオイル交換、エアーエレメントのことなど、色々気になってきます。整備点検への関心が高まる良い副次効果も期待できます。

日常点検が必要な7つの整備点検項目

トラックドライバーコンテストでもチェックされる7つの整備点検項目を表にまとめました。

整備点検項目 整備点検内容
1. ブレーキ (1) ブレーキ・ペダルの踏みしろが適切であること。
(2) ブレーキの液量が適量であること。
(3) ブレーキ・ペダルを踏み込んで放した場合にブレーキ・バルブからの排気音が 正常であること。
(4) 駐車ブレーキ・レバーの引きおろしが適切であること。
2. タイヤ (1) タイヤの空気圧が適切であること。
(2) 亀裂及び損傷がないこと。
(3) 異常な磨耗がないこと。
(4) 溝の深さが十分であること。
(5) ディスク・ホイールの取付状態が不良でないこと。
3. バッテリー 液量が適量であること。
4. 原動機 (1) 冷却水の量が適量であること。
(2) ファン・ベルトの張り具合が適切であり、かつ、ファン・ベルトに損傷がない こと。
(3) エンジン・オイルの量が適量であること。
5. 灯火装置・方向指示器 点灯または点滅具合が不良でなく、かつ、汚れ及び損傷がないこと。
6. ウインドウォッシャ・ワイパー (1) ウインド・ウォッシャの液量が適量であり、かつ、噴射状態が不良でないこ と。
(2) ワイパーの払拭状態が不良でないこと。
7. エア・タンク エア・タンクに凝水がないこと。

 

実際のトラック整備点検の様子を動画で見てみましょう。

 

自分のトラックだけに留まらない!運送業に必須の整備管理者とは?

運送業の許可には、運行管理者が必要なことは多くのドライバーが知っていますが、もう一つ「整備管理者の選任」が必要となります。誰でもなれるわけではありませんが、ワンランク上の整備管理者の経験があれば、特に中小の運送会社では重宝される技術、経験となります。

整備管理者になるための条件

営業所ごとに常勤する整備管理者が1人以上必要です。転職の際に聞かれることもあるかもしれませんので、自分自身が整備管理者になることができるか、知っておいて損はないでしょう。条件は以下2つのいずれかです。

  • 1~3級の自動車整備士の資格を取得している者
  • 自動車やトラックの整備、整備管理に関わる実務経験を2年以上積み、運輸支局で実施している選任前講習を修了している者

トラック整備士の国家試験でさらなるスキルアップ!

トラックをいじるのが好きであれば、さらなるスキルアップとして整備士の国家資格を持っておく選択もあります。自動車整備士の国家資格があれば、前述の整備管理者になることもできます。

自動車整備士の種類

自動車整備士には大きく分けて1級・2級・3級の3つの級と特殊整備士があります。

  • 一級自動車整備士
    一級大型自動車整備士
    一級小型自動車整備士
    一級二輪自動車整備士
  • 二級自動車整備士
    二級ガソリン自動車整備士
    二級ジーゼル自動車整備士
    二級自動車シャシ整備士
    二級二輪自動車整備士
  • 三級自動車整備士
    三級自動車ガソリン・エンジン整備士
    三級自動車ジーゼル・エンジン整備士
    三級自動車シャシ整備士
    三級二輪自動車整備士
  • 特殊自動車整備士
    自動車タイヤ整備士
    自動車電気装置整備士
    自動車車体整備士

通常、整備工場でも二級整備士、検査員の資格があれば運営できるようなので、一級整備士の資格を持っている人は多くないようです。

トラック整備士になるには「一級大型自動車整備士」の資格が必要

トラック整備士になるには総重量8トン以上、最大積載量2トン超、乗車定員11名以上の大型トラックの整備ができる一級大型自動車整備士の国家資格が必要になります。

ただし、この一級大型自動車整備士の資格を取得するには、二級自動車整備士の資格取得後、3年以上の実務経験が必要となります。それぞれ二級自動車整備士、三級自動車整備士にも実務経験が必要なため、かなりの期間がいることは覚悟しないといけません。ドライバーの命を預かる整備士ですので、仕方はありませんね。

大型トラックを整備できるとなれば、かっこいいですよね。

まとめ

トラックの整備について参考になりましたか?
ひとつの間違いが大きな事故、トラブルに繋がるトラックだからこそ大切なのが整備点検です。全てのドライバーに必要なことですので、逆に整備点検が十分にできていない運送会社があれば、気をつけた方が良いかもしれません。