トラックにも自動運転の時代がやってくる!トラック運転手の仕事はどうなるのか?!

アメリカをはじめとした外国諸国でのトラック自動運転テストの様子がニュースの一面になることも増えてきました。トラック運転手の不足が社会問題化してきている日本でも、トラック自動運転の話題は盛んです。
自動運転トラックが普及すれば、深刻化しているトラック運転手の不足に新たな光が差し込むとも言われる一方、トラックの自動運転は「トラック運転手の仕事を奪うのか?」との懸念があるのも事実。

社会に影響を与えるものはないと言われているトラック自動運転。実際にはどんな課題があるのでしょうか?トラック自動運転の最新動向をご紹介します。

アメリカをはじめとする外国諸国でのトラック自動運転テストの様子

海外ではトラックの自動運転テストが盛んに行われており、成功事例も多く出てきていることをご存知でしょうか?完全に自動運転を目指すものから、トラック運転手の負担を軽くするため、一部を自動運転にするもの。最近の様子をご紹介します。

ビール5万本を自動運転トラックで配送!(アメリカ)

2016年10月、Uberに買収されたOttoの自動運転トラックは大手ビールメーカーの5万本ものビールの配送に成功。コロラド州のフォート・コリンズからコロラドスプリングスまでその距離190km!!
Volvo製のトラックで、レーダーとLIDAR(光検出と測距)センサー、カメラを搭載した完全自動運転が可能な「レベル4」のトラックでの配送でした。

人が多いところや道路幅が狭い市街地はプロのトラック運転手が運転したとのことですが、高速道路などの安定した道はすべて自動運転での走行でした。

実際の自動運転トラックの様子はこちらの動画をご覧ください!

運転手も乗っていますが、運転席にはおらずハンドルを握る素ぶりすらありません。コロラド州の交通局の許可もとった上で、実際に配送されており、実質、初の自動運転配送となります。
まだまだ開発途中のようですが、それでも自動運転トラックはここまで現実のものになっています。

単純な長距離に渡る運転を肩代わりする一部自動運転(アメリカ)

今回もアメリカの事例で、2017年に入って公開されたEmbarkの自動運転トラックの様子です。ネバダ州でのテストも許可されており、追い越しの様子まであります。

今のところ、完全な自動運転ではなく、どちらかと言えば退屈で単純な長距離ドライブをトラック運転手の代わりに自動運転が行ってくれる設計のようです。街中などでは、まだまだドライバーのコントロールを必要としているようです。

アメリカの先を行く?!スウェーデン発の遠隔操作もできる自動運転の電気トラック

こちらはスウェーデンの企業Einrideがコンセプトを打ち出している「T-pod」と言われるトラック。単なるトラックではなく、有害排出物の削減まで考えられた電気トラックです。

コンセプト動画はこちら。

アメリカの例と同じく、高速道路などの安定した道では自動運転で、街中ではマニュアル操作に変わるというもの。しかし、T-pod(電気トラック)が大きく違うのが、マニュアル操作をトラックに同乗しているドライバーではなく、遠隔操作で行うというもの。

Einrideのコメントでは、遠隔操作によるメリットを下記のように考えているとのこと

Einride システムは環境に優しいだけでなく、交通の安全性の向上や新しい雇用の創出、顧客にコスト効率の高い輸送手段を提供します。T-pod は最も効率の良い選択肢です。トラック充電中にドライバーがその場にいる必要や、家族や友人から遠く離れて過ごす必要がなくなり、また、顧客の物流網全体がより柔軟になります。

最近では多くの企業がトラックの自動運転にも参入してきているが、Einrideのアプローチは珍しい。会社も既存のトラック業界、物流の価値観自体を根本から変えようと考えているようだ。

Einride は既存の輸送チェーンを根本から変えています。

長距離トラックを所有する大企業は効率を上げるためにトラックの大型化を続け、結果としてさらに排出量を増やしています。当社はコスト効率に優れるだけでなく、輸送業界の環境負荷を劇的に低減する安全なソリューションを構築することで、こういった現状を変えていきたいと思っています。

Einride提供のT-podコンセプトイメージ(CG)

アメリカだけじゃない!日本のトラック自動運転の様子

新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が2013年に公開した動画。
縦1列に並んだ4台のトラックの車間距離、速度を一定に保って自動走行するシステムのようです。つくば市内でのテスト走行の様子が公開されています。

こちらは少し趣旨が違って、先頭のトラックにはドライバーが必要です。燃費向上、二酸化炭素(CO2)の排出削減など環境対策が狙いのようですが、もちろんトラック運転手の負担軽減なども考えられてのことのようです。

4台の連結であれば、単純計算1/4のドライバーで運ぶことができますので、ちょっと違うアプローチですが、これも自動運転の活用でしょう。

自動運転については、日本政府も実行に向けて具体的な案を出し始めています。トラック運転手が不要な自動運転トラックの一部を2020年度に実現するための実行計画をまとめたそうです。道路交通法なども関わりますので、政府が動き出したのは吉報!日本もいよいよ変わる時が来たのでしょうか?

トラック運転手の仕事を奪う?全日本トラック協会の方に自動運転への見解を聞いてみました

トラックの自動運転の話とセットで出てくるのが、トラック運転手という職が不要になってしまうという懸念の声です。全日本トラック協会の永嶋功常務理事への自動運転トラックに関わる運送業のインタビュー記事がありましたので、ご紹介。

――無人トラックが走り回るようになれば、ドライバーの労務費を削減できるほか、輸送頻度を高めて事業効率を上げられる可能性がある。ただ、そうなると、ドライバーから職業を奪うことになるのではないかという指摘もある。

永嶋 仮に自動運転が可能になっても、今のわが国の状況では、直ちに「無人トラック」が公道を走るということまでは考えにくい。それに、そもそも「ドライバーが職を追われることになるから、自動運転は問題だ」といった発想はない。今のトラック運送業界では、ドライバーの高齢化が進み、一方で少子化や労働環境などの影響もあり、若いドライバーのなり手がどんどん減っている。トラック運送業界の労働力不足は将来に渡って続くものと考えており、むしろ無人トラックへの期待は大きいといえる。

特に経営者サイドでは、無人トラックが実用化され、人手不足や労働コストの上昇といった経営課題が改善されるのではないか、という願望を持つ人が多い。

http://www.nikkei.com/article/DGXMZO05135480S6A720C1000000/

トラック運転手の不足という社会問題に直面している業界としては、歓迎ムードのようです。いきなり完全自動になることは考えにくく、少しでもドライバーの負担を軽くできるのであれば、どんどん歓迎したい考えのようですね。

実際、トラック運転手の仕事は運転だけではありません。荷物の積み降ろしも行いますし、荷物の組み立てまで行うドライバーもいます。ただ単に輸送するものではなく、モノの価値を運ぶという役割は、簡単に自動化できるものではないでしょう。

歴史的にも技術革新によって潤ってきた業界は多いですし、新たな価値観、産業も生まれます。トラック業界の人間として、そんなターニングポイントに関われているのが嬉しい。

まとめ

トラックの自動運転記事、いかがでしたか?
まだまだ先の話と思っていた自動運転も、意外と近い気がしてきませんか?日本も一部ではありますが、2020年のオリンピックの年を目指して、トラックの自動運転についても改革を進めようとしています。想像していた未来は案外すぐそこに来ているかもしれません。

新しい技術と共に、新たな価値が生まれます。それに対応していけるよう業界の情報はウォッチしておきましょう!