モーダルシフトが加速する?!運送業なら知っておきたい基礎知識

「トラック運転手不足などによってモーダルシフトが加速した・・・」というニュースをよく見るようになりました。一般の方にはあまり馴染みがない言葉だと思いますが、ニュースで当たり前のように出て来ています。

モーダルシフトは運送業や製造業で使う言葉ですので、私たちトラック運転手が知らない訳にはいきませんね。今回はモーダルシフトとは何かをご紹介します。
アイキャッチ画像:ITmedia

モーダルシフトとは?

モーダルシフト(Modal shift)とは、トラックによる貨物の輸送を、鉄道または船舶による輸送に代替することをいいます。
荷物の送り先全てに鉄道が引いてある訳ではありませので、荷物の輸送全てを鉄道でまかなうことはできません。そのため、トラックへの荷の積み替えの手間などの影響でなかなか鉄道輸送は普及しませんでしたが、近年は、トラック運転手の不足や、環境問題などの背景が重なり、貨物列車などへのモーダルシフトが加速していると言われています。

*厳密には上記説明とは逆の鉄道からトラックなどに輸送手段を変更することもモーダルシフトと言いますが、日本では一般的にトラックから貨物列車へのシフトをモーダルシフトという。

モーダルシフトの目的は?

トラックによる荷物の輸送を貨物列車などに代替することは、国(国土交通省)が先導して推進しています。鉄道を使っての輸送は、単位輸送量当たりの必要人員も少なくて済みます。トラック運転手不足も含めた労働力不足の緩和も期待しているのが大きいでしょう。また、トラックの輸送と比べ、時間の正確性が高いのもメリットです。鉄道には渋滞がありませんし、予想外の荷物の遅延が発生するリスクが少ないとも言えるでしょう。

二酸化炭素削減の環境問題への取り組みとしても、国交省はモーダルシフトを進めています。

モーダルシフトのメリット

  • 労働力不足(トラック運転手不足)の緩和
  • 交通渋滞の緩和、交通事故の減少
  • 二酸化炭素(CO2)削減効果(地球温暖化防止)
  • 省エネルギー効果

 

モーダルシフトの課題

前述の通り、モーダルシフトを推し進めたいのが国の方針ですが、柔軟な対応が可能で、速達性に優れるトラック輸送がまだまだ好まれており、トラックによる輸送は貨物輸送全体の90%以上を占めているのが現状です。
なぜモーダルシフトが普及しないか、モーダルシフトこのような問題があります。

  • 小口輸送に適していない
  • 急な荷物量の増減に対応できない
  • 輸送コストが高い
  • 天候や自然災害の影響を受けやすい
  • 貨物鉄道への設備投資が追いついていない

メリットも大きいが、良くも悪くもトラックでの輸送が定着しているため、モーダルシフトを進めるための課題も多く残っています。

モーダルシフトの現状(2017年現在)

課題も大きいモーダルシフトですが、近年は状況が大きく動き始めております。具体的には、業界大手の佐川急便や福山通運など、トラック中心の運送業者が専用の貨物列車を運行するなどの動きが出てきています。JR貨物も荷主に鉄道輸送の提案を強化するなど、以前にもましてモーダルシフトの動きが大きくなっていると言えるでしょう。

トラック業界としては、鉄道輸送はいわばライバルの立ち位置でしたが、トラック業界の大手が鉄道輸送を利用するなど、大きな変化が起こっています。

*JR貨物も2016年度の輸送量は前年度比0.5%増の3093万8000トンで、2年連続で前年を上回ったと発表している。

まとめ

筆者としても、注目されていたモーダルシフトの取り巻きが、近年大きく変わってきていると感じます。トラック運転手不足が深刻なトラック業界としても、モーダルシフトをどう活用していくかという面で、今は大きな転換期であると感じます。

モーダルシフトと同じく、先日ご紹介したトラックの自動運転も目が離せませんし、トラック運転手にとっても労働環境がよくなるためのチャンスと考えることができるのではないかと感じます。

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